風謡いの聖典:創造の時代の憤怒

最初の七つの世界が終わるのに、一日と経たなかった。
この七つの世が死ぬ前、物質界が時代を過ごす物語めいた旅を始める前、神々は自分達の誰かがそのような破滅をもたらすとは思っていなかった。結局のところ、定命の者の領土は、あらゆる神格の信者達が学び、成長するための場所だったのだ。となれば、なぜ、あらゆる神々のための場所を破壊しようとする神があるだろうか? 日々が日々である前の時代には、神々ですら初心であったと言うことが出来るかもしれない。

外方次元界の栄光と恐怖はファラズマの最初の歩みの後、長らく九つの外なる次元に癒合した。内方次元界はいくばくかの間、定命の者の命がない空っぽの状態で、白紙状態であることによって、次第に無数の神格の想像力に満ちた好奇心を惹きつけるようになった。ファースト・ワールドの誕生は賢い選択であった。というのも、それによって神々は創造、作り直し、語り直しすことの複雑さを実践し、最終的に物質界の『無数のもの』を創造する方法を定めることが出来たのである。

彼らが内方次元界の心臓部の暗い宇宙に向き合った際、既に他の現世から残っていた在住の存在がいたが、それらの数はごくまれで、深い眠りに満足しているようであった。神々は、これらの外なる神々が自分達の創造に気付いた時のために彼らを心に留め、反応する準備を備えながら、自分達の創造に注意を向けた。

『深淵の話し手達』は創造の支援には興味を持つことが出来なかったが、内方次元界の中に混沌から秩序をもたらす業には反対することなく、そういった業については、出来る支援を行った。デズナは星々の明かりが『無数のもの』の空まで届くよう、星々に光を灯した。サーレンレイは創造が始まった無数の世界の太陽に命を与えた。イヒスとアスモデウスはまだ口論をしておらず、最初の定命の者の枠組みを作る任務に就いた。アチャケクは『螺旋』の際のところで衛兵として立っていた。彼は現世が広がるのを監視する、公正なる審判者であった。そして定命の者の死が世界に現れるのを歓迎するため、『縛られし大公』が最も暗い場所で待っていた。

そして全てがあるべきところへ配置された際、ファラズマが魂の川の源に触れ、全世界に定命の者の命の流れが始まった。荒々しき獣ロヴァガグはそれに気づき、『外なる階』(アウター・リフト)から掘り進むという永遠の責務を自らに課した。彼は階を這い進み、『螺旋』を登り、『銀の海』を飛んで渡るためにその先端から身を躍らせた。彼は『エレメンタルの殻』を割って物質界に侵入し、目の前にあるご馳走に欣喜雀躍した。彼は七つの世界の最初の日没より前に七つの世界を食べ付くしたが、食べ物に味がないということに気がついた。名前の無い世界……歴史のない世界……失うべきものを持たぬ世界は、荒々しき獣を満たすことはなかった。そして、獣は神々が破壊的な襲撃に驚いて『外なる階』に獣を戻した際にさほど懸命には戦わなかった。デズナは破壊された最初の七つの世界の思い出として、『七導星』(セブンフォールド・サイノシュア)を作りだし、その階段を歩みながら神々は、もし獣が戻ったなら、再び立ち向かうと誓った。

多くのことが最初の時代、創造の時代に起こった。カリストリアやドウ=ブラル、トラグ、ゴルム、ダハク、アプスといった新しい神々が誕生し、彼ら独自の領域の創造を始めた。物質界の中で生命が成長し、進化した。そしてやがて、知恵持つ者も成長し、進化するようになった。最初、最も知性ある生命体は、多くの世界にいるジオモルンxiomornsの訪問者のような、いずこかより来たる侵入者や、既に支配している暗闇の海から来るアルゴールトゥalghollthuの群のようなものだった。しかしやがて、定命の者達は自ら信仰と自由意志を発見し、知的生命体は火花となって創造の時代を灰に変えた。

アスモデウスに兄弟のイヒスを裏切らせたのはこの火花であった。イヒスはこういった飢えた定命の者の精神を通じての自由意志の流れを奨励していた。アスモデウスとイヒスの間の隔絶が大きくになるにつれて、戦争が広がり、神々の間の最初の争いは、グレート・ビヨンドがかつて経験したことのないスケールでの死と破壊を見ることとなった。
アスモデウスがイヒスを殺したことによって戦争は終結したが、その最後の行いには反動が予期されるため、それは誰もが想像しなかった方法だった。
この裏切りによってまた、ロヴァガグの注意が現世に戻った。グレート・ビヨンドが争いに巻き込まれている時、ロヴァガグは誰にも見られることなく物質界に戻り、アスモデウスが最初にイヒスを誘い込み、殺した世界を食らった。荒々しき獣は絶叫しながら死に絶えた惑星、黙示録に苦しんだ住人の味を楽しんだ。そして世界から世界へとロヴァガグは罰されることなく貪り、破壊しながら移動した。

この創造の時代の終わりに、神々は苦しんだ。グロートゥスが初めて、ボーンヤードから立ち上がった。アチャケクは発狂し、続く幾つもの時代をなき獣として過ごすためにその公正さを失った。『縛られし大公』は、この惑星規模の黙示録で生まれた絶望する魂をかじり、最初の騎士(ファースト・ホースメン)となった。そしてロヴァガグは貪り続け、世界から世界へと進んでは、その後に大きな変動を残した。世界が次々と死ぬにつれて、神々が生み出したものは荒廃に還った。最後に注意を傾けたのはサーレンレイで、彼女は古の誓いを守るように神々に呼びかけ、『七導星』(セブンフォールド・サイノシュア)の階段で自分に加わるように懇願した。全ての神ではないが、多くの神々が答えた。その最後の瞬間には、自らの行いに対する償いをしようとしたのか、あるいは新たな個人的利益を得る機会を狙ったのか、アスモデウスすらもが舞い戻った。

ロヴァガグが三つの異なる世界――アンドロッファ、ゴラリオン、地球――に注意を向けた際、新しい同盟が生まれ、それらの地で彼の破壊が始まろうとしたため、神々は想像の時代を終わらせるための行いを始めた。狡猾なるカリストリアが饗宴からロヴァガグの気を逸らし、三つの世界を守り、そのうち最も若いものに集中させた。すなわち、二つの危険にさらされた姉妹よりも若き世界ゴラリオンである。トラグとゴラムはファラズマの導きの下で共に、ゴラリオン内に『死の宝庫』という、荒々しき獣を保持できる、形而上学的にゴラリオンに入れ子となった副次元界を共に苦心して作り上げた。アーバダーはこの牢獄を閉じておくための完璧な鍵と錠前を提供した。この鍵の作りは非常に精巧で、アスモデウスだけがそれを使うことが出来る。ドウ=ブラルはゴラリオン中に『星の塔』を設置し、正しき時間にそれを打ち付けることが出来るように構えた。そして『死の宝庫』が完成した際、カリストリアはロヴァガグを罠に誘い込んだ。そこで、彼はサーレンレイとデズナ、アプスとダハク、エラスティルとゴズレー、そしてこの戦いにおいてロヴァガグの顎の犠牲となり、永遠に忘れられし数多の神々に奇襲を受けた。しかし、ロヴァガグは罠に直滑降したため、サーレンレイは世界を切り開き、ロヴァガグに打撃を与え、荒々しき獣を『死の宝庫』に突進させた。ドウ=ブラルが『星の塔』を起動し、それらがこの世界を貫き、ゴラリオンを閉じ合わせてその中のロヴァガグを貫いた。そして荒々しき獣が動きを止めると、アスモデウスは錠前に鍵を入れて回した。

これをもって、若き世界ゴラリオンは檻となった。創造の時代は終わり、時代が再び流れ始めた。そして檻が回り続ける限り、その中に荒々しき獣がとどまり続ける限り、時代が再び弱まり、死ぬことはないだろう。


作者について
James Jacobsはパスファインダーのクリエイティブ・ディレクターである。彼はゴラリオンの想像の始まりに立ち会ったが、この世界の英雄と悪党によって信仰されている神格の多くは既に何十年も前から存在していた。デズナやロヴァガグ、サーレンレイにアーバダー、アチャケクとゾン=クーソンのような神々は80年代後半と90年代初期のJamesのホーム・キャンペーンでPC達やNPC達の間で最初に信仰されていた。それらをパスファインダー世界の神格として共有し、プレイヤーやクリエイター達がその神々を好きになったり、嫌いになったり(あるいは神々のコスプレをしたり)したことが、経歴のハイライトである。

風謡いの聖典について
ヴァリシアのロスト・コーストの北端にある風謡いの修道院は、20近くの異なる信仰を持つ司祭達によって維持されている、信仰間の議論をするための場所で、仮面の修道院長によって率いられている。失われし神託の時代の始まりに、風謡いの修道院はその信者の戦いと逃亡という苦難を経験したが、今日では再興し始めている。新しい仮面の修道院長は新たな聴衆を導き、風謡いの聖典―神々そのものの寓話―が再び、修道院の壁に記録され始めた。これらの聖典の中には、ゴラリオンの神話や伝説として示されている者もある。真実もあるかもしれないが、偽りもあるだろう。どれが真実でどれが偽りであるかは、信者が決めることになっている。

公式ブログ


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