キャンペーンの計画

Wikis > 第十章 マスタリング > キャンペーンの計画

キャンペーンの計画

パスファインダーのゲームは、一般的にキャンペーン(一つのパーティに焦点を当てる連続した物語)として構成されている。キャンペーンは、複数のアドベンチャーに分割される。アドベンチャーは、探索やノンプレイヤー・キャラクターとの交流を伴う小さな物語である。単発のアドベンチャーは1つの物語を表現するが、それがキャンペーンの大きな流れとつながっている場合もある。1つのアドベンチャーをプレイするには、1つまたは複数のゲーム・セッションが必要である。ゲーム・セッションというのは、グループが数時間かけてアドベンチャーの一部をプレイするものである。

キャンペーンは、パスファインダーのゲームにおいて、全体的な構造を提供する。キャンペーンの準備をする際には、その範囲とテーマを設定し、その中で行われるアドベンチャーやシーンで強化していくのである。

キャンペーンの長さ

キャンペーンの長さは、数回のセッションで終わるものから、何年もかかるものまで様々である。キャンペーンの長さを決める主な要因は2つ、ある。物語を完成させるためにどれだけの時間が必要か、プレイヤーがどれだけゲームに時間を費やしたいかである。

単発セッション、つまり「ワンショット」は、グループがパスファインダーを試しにやってみている場合や、特定の短いアドベンチャーをプレイしたい場合に最適である。この場合、時間的な制約は少なくなるが、プレイヤーが物語や設定に夢中になる機会が少ないため、GMはゲームのイベントをすぐに魅力的に見せる必要がある。

もし、より長いキャンペーンをプレイしたいのであれば、アドベンチャーのイベントだけではなく、ゲーム内のキャラクターに直接語りかけるようなストーリー要素を加える必要があるだろう。つまり、グループ全体の目標に加えて、キャラクターたちが個々の目標を持つようにするのである。

キャンペーンの所要時間は、実際にプレイする時間や、キャラクターのレベルアップ数を見て見積もることができる。通常、1グループがレベルアップするのに3〜4回のセッションが必要である。セッションをキャンセルすることもあるだろうから、週1回のプレイを1年間続けると約14レベル、2週間に1回のプレイを1年間続けると8レベル、月1回のプレイでは5レベルのキャンペーンということになる。月に1度しかプレイしない場合は、セッションを長くしたり、「早い成長速度」(509ページ)を利用したりするとよいだろう。

キャンペーンの長さが不定形であっても構わない。多くのグループは、1つのアドベンチャーをプレイした後、別のアドベンチャーに挑戦する。ただし、無期限のキャンペーンを行う場合は、次のアドベンチャーでキャンペーンが終了してしまうと、満足に終わらせることが出来なくなる、といったようなプロットを進行させるのは避けた方がよい。物語に欠かせない圧倒的な力を持つ悪役を登場させて、プレイヤー・キャラクターが15レベルになるまで止められないとしたら、8レベルでキャンペーンを終わらせるのは拍子抜けになってしまう。

キャンペーンの長さや範囲を見積もるときは、控えめにしたほうがいいでしょう。複雑なプロットが織り込まれた20レベルの壮大なキャンペーンを行いたいと思うのは常だが、そのようなゲームは、グループが月に1回しかプレイできなかったり、プレイヤーが他の責任を負っていたりすると、終了までにかなりの時間がかかってしまう。

予期される期間 Expected duration

全てのキャンペーンが同じ時点で終わるわけではない。20レベルまで進み、プレイヤー・キャラクターが力の頂点に達し、定命の者が直面しうる最大の脅威に立ち向かったところで終わるキャンペーンもあるだろう。また、もっと低いレベルで、大悪党を倒したり、重要な問題を解決したりしたところで終わるキャンペーンもある。あるいは、プレイヤーが参加できなくなったり、プレイをやめるのに適したタイミングで終わるキャンペーンもあうだろう。
キャンペーンを始めるときには、終点を決めておくべきである。しかし、他のプレイヤーと一緒に物語を進めていくわけだから、最初に予想していたキャンペーンの内容が正しくはなかったということもあるから、柔軟に対応する必要がある。納得のいく結末に向かっていると思ったら、他のプレイヤーに確認してみるのも有効である。例えば、「あと2回くらいセッションが残っていると思います。みんなそれでいいかな? 何かやり残したことはありませんか?」 といった具合である。そうすることで、自分の想定と他のプレイヤーの想定が一致しているかどうかを確認し、必要な調整を行うことができるのである。

テーマ THEMES

あなたが選んだキャンペーンのテーマは、他のキャンペーンと区別するためのものである。テーマには、物語のメインとなるドラマチックな問いかけや、特定の環境やクリーチャーの繰り返される登場といったものが含まれ、また、伝統的なハイ・ファンタジーを超えたジャンルにすることも可能である。また、キャンペーンのテーマは、ストーリーの構成要素にもなるかもしれない。

ストーリー上のテーマは、通常、プレイヤー・キャラクターや悪役の背景、動機、欠点などに関連している。例えば、「復讐」をテーマにした場合は、復讐のために人生を棒に振り、周囲に悲劇的な被害を与える悪役を登場させることになるかもしれない。プレイヤーキャラクターの1人が、自由を愛する混沌にして善のキャラクターであれば、その人物を奴隷商人と対決させることで、その人物を巻き込むことができる。また、愛をテーマにすると、NPCが破滅的な恋愛をしたり、失った恋人を取り戻そうとしたり、プレイヤーキャラクターに求愛したりすることになるだろう。

似たような場所や関連する生物を使うことで、別々の冒険の間につながりを持たせることができる。プレイヤーは、自分のキャラクターが、巨人との交渉、海路の航行、悪魔との戦い、次元界の探索など、繰り返し出てくる要素に対応する専門家になっていると感じることができる。例えば、序盤は凍ったツンドラ地帯を探索し、その後、以前に培った知識を使って克服できるような、より困難な課題に満ちた氷の次元界へとプレイヤーを向かわせることができるだろう。同様に、ホブゴブリンの兵士は、レベルが低いうちはグループにとって手強い敵かもしれないが、PCのレベルが上がり、ホブゴブリンが他の生物の手先になると、プレイヤーは進歩を感じることができるようになるのである。

パスファインダーはファンタジー・アドベンチャーゲームだが、他のフィクション・ジャンルの要素をキャンペーンに取り入れることができる。ホラーテイストのゲームにしたり、魔法の量を減らしてゆっくりとした成長(509ページ)を利用して剣と魔法の物語にしたり、魔法をテクノロジーに変えてスチームパンクの設定にしたりすることもできるのである。

責任あるプレイのためのツール TOOLS FOR RESPONSIBLE PLAY
同意と快適さは、ロールプレイングゲームにとって重要なテーマであり、多くのデザイナーが責任あるプレイを促進するためのテクニックを開発している。君が使うことが出来るテクニックには、Ron Edwardsが開発した「Line and Veils」や、John Stavropoulosが開発した「X-Card」などの手法がある。

ライン&ヴェール Line and Veils
「ライン」と「ベール」という言葉は、このセクションで説明されている概念について、君の卓に共通の語彙を与えてくれる。ラインとは、プレイヤーの行動を制限するもので、例えば「拷問にはラインを引く」というようなものである。グループは、一線を越えないことに同意し、その内容をゲームから除外する。
ベールは、詳細を説明してはいけないものを示す。ベールが起こるとシーンが暗転したり、グループが別の話題の議論に移ったりしますが、ベールに描かれていることはそのまま発生する。例えば、「登場人物が寝室に向かうシーンにベールを描こう」と言ってみよう。
事前にいくつかのラインやベールを考えておくものだが、プレイを続けていくうちに、より多くのラインやベールが見つかることもある。

Xカード X-Card
カードに「X」を描くと、「Xカード」になる。セッションの最初にテーブルの上に置き、プレイヤーにその使い方を説明すること。プレイヤーは誰でもXカードをタップすることで、不快な内容を黙って拒否することができる。キャンペーンの基本的なガイドラインを設定するのと同様に、誰かがXカードを使用した場合、質問も判断も議論もしてはならない。ただし、必要であれば、「どのくらい前に巻き戻したらいいですか?」など、説明を求めることは出来る。グループによっては、手でXを作ったり、「それはXにしよう」と言ったり、他の方法を使うこともある。いずれにしても、ゲーム終了後、ガイドラインを修正する必要があるかどうか、そのプレイヤーに個人的にフォローを行うこと。詳細はtinyurl.com/x-card-rpgを参照。

心地よい環境 A WELCOMING ENVIRONMENT

ゲームマスターの役割には、君と他のプレイヤーがゲーム中にやりがいのある楽しい時間を過ごせるようにするという責任が伴うものである。ゲームでは難しいテーマを扱ったり、ストレスを感じることもあるが、基本的にパスファインダーは趣味の活動である。プレイヤーが社会契約を守り、お互いを尊重することで初めてその状態を維持することができるのである。

身体的または精神的に対処すべきことがあるプレイヤーは、そうでない者よりも困難な状況に置かれるかもしれない。プレイヤーと協力して、彼らが必要とするリソースやサポートを確保すること。さらに、故意であるか不注意であるかにかかわらず、不適切な行動に注意し、ゲーム中のプレーヤーのボディランゲージに注意を配ること。プレーヤーが不快に感じていることに気づいたら、ゲームを一時停止したり、新しい方向に進めたり、セッション中または後にプレーヤーに個人的に確認したり、その他適切と思われる行動を取ることが出来る。

GMとして提示した内容であれ、他のプレイヤーやPCの行動であれ、ゲーム中に何か不快なことがあるとプレイヤーから言われた場合は、そのプレイヤーの話を注意深く聞き、再びゲームを楽しめるようにするための措置を講じるようにすること。もし、君が事前に用意した資料の中で、あるキャラクターや状況が不適切だと判断した場合、君にはその内容を変更する権限がある。また、プレイヤーがやっていることが受け入れられなかったり、他の人に不快な思いをさせたりした場合には、プレイヤーに行動を変えるように、あるいは卓から離れるように求める権限(と責任)がある。不快な思いをしている人に問題解決の責任を負わせることは、決して適切ではない。ミスがあっても構わないのである。大切なのは、どのように対応し、前に進むかである。

ゲームは全員のものである。悪意のある人がゲームを弱体化させたり、他のプレイヤーを排除したりしてはならない。全員の努力が、ゲームやゲーム文化を誰もが楽しめるものにするための長期的なプロセスの一部である。全員で協力すれば、さまざまなアイデンティティや経験を持つプレイヤーが安心して遊べるコミュニティを作ることが出来るだろう。

不快なコンテンツ Objectionable Content

キャンペーンを開始する前に、グループまたは個人のプレイヤーに、ゲーム内で許可したいコンテンツの種類と、避けたい話題を確認すること。物語はリアルタイムで展開されるため、ゲーム開始前にこれらのトピックについて話し合うことが重要である。この話し合いは、プレイヤーの安全を守るためのものなので、あるコンテンツを禁止したい理由を聞くのはNGである。誰かが禁止したいと思えば、禁止するのである。質問の必要はない。

映画やビデオゲームに使われているようなレーティングから始めるのは良い手助けになるだろう。パスファインダーのゲームには、暴力や残虐な表現がよくある。こういった概念をどれだけ生々しく表現できるか、その限界はどうなっている? プレイヤーはテーブルの上で悪口を言ってもいいだろうか? 蜘蛛や人間の肉体をグロテスクに損壊するようなホラー描写など、ゲームに登場させたくない恐怖症の人はいるだろうか?

不快なコンテンツの制限を把握した後は、4つの重要な作業がある。
– この制限を他のプレイヤーに明確に伝える。
– 自分とプレイヤーが境界線を守るようにする。
– セッション中に誰かがコンテンツに対して不快感を覚えたら、それが事前の話し合いで禁止されていなくても、すぐに行動する。問題が解決したら、次のステップに進む。
– 意図的に境界線を超えたり、抜け道を探したり、制限を再交渉しようとしたり、不快なコンテンツに対する許容範囲が異なることを理由に人を侮辱したりするプレイヤーがいたら、問題を解決する。

パスファインダーのベースライン the pathfinder baseline

プレイヤーが不快なコンテンツについてあまり発言せず、一般的な社会規範によって最も不快なトピックはゲームに登場しないと予測していることがあるかもしない。しかし、常にそれだけで十分だというわけではない。なぜなら、そのアプローチは、常に正確ではない仮定を共有することに依存しているからである。以下は、多くのグループで採用されている基本的な前提条件だが、自分や他のプレイヤーの好みに合わせて変更することが出来る。

– 流血や怪我、さらには四肢切断などの描写があるかもしれない。ただし、過度な流血や残酷な描写は避けるべきである。
– ゲーム内でロマンチックな関係や性的な関係が発生することがありますが、プレイヤーは過度に暗示的な表現を避けるべきである。セックスは常に 「画面外」で行われる。プレイヤーキャラクター同士でロマンチックな関係を始めようとすると、プレイヤーが他のプレイヤーを口説くのと同じような不快感を与える可能性があるため、このような行為は避けるべきである(知らない人と一緒にプレイする場合は全く不適切)。
– 過度のグロ描写やスカトロ描写は避ける。以下のような行為は、プレイヤーキャラクターが絶対に行ってはいけません。
・ 拷問
・レイプ、同意のない性的接触、または性的脅迫
・性的虐待を含む、子供への危害
・奴隷を所有すること、または奴隷貿易で利益を得ること
・精神を支配する魔法を非難すべきやり方で利用する

悪役がそのような行為をすることはありえるが、「スクリーン上」では起こらないし、詳細に描写されることもない。多くのグループは、悪役がこのような行為を一切行わないことを選択し、このような非難されるべき行為を完全に念頭に置かないようにしている。

社会的な巻き込み Social Splash Damage

自分自身やゲーム内の他のプレイヤーを大切にすることは重要だが、自分のグループが周囲の人々に与える影響にも注意をすること。自分のスペース以外でプレイしている場合は、ホストを尊重しなければならない。公共の場でプレイする場合は、自分たちのグループだけでなく、周りの人たちが快適に過ごせるような配慮が必要となる。ゲームに夢中になると、想像上の世界の小宇宙に吸い込まれてしまいがちですが、自分を取り巻く現実世界を無視してはならない。騒いだり、散らかしたり、生々しい暴力描写で通行人を不安にさせたり、初めてRPGをプレイする好奇心旺盛な観客に冷たくあたったりしていないか、気をつける必要がある。

キャラクター作成 CHARACTER CREATION

新しいキャンペーンの開始時に、プレイヤーは新しいプレイヤーキャラクターを作成する。その課程には、キャンペーンの内容や、どのようなキャラクターが最適かを紹介することが含まれる。プレイヤーと一緒に、どのようなルールの選択肢があるかを決めること。最も安全な選択肢は、『パスファインダー・コア・ルールブック』に掲載されている共通の選択肢である。プレイヤーが他の本に載っているアンコモンの選択肢や、レアの選択肢を使いたい場合は、プレイを通じて、それらの選択肢が君の考えているキャンペーンのスタイルに抵触しないか、あるいは将来的に予想外の驚きをもたらす可能性がないかを確認すること。通常、新しい選択肢を認めるのは最善だが、そうする義務はない。君が快適な範囲でオープンにすること。

コメント

タイトルとURLをコピーしました