- 探索 Exploration
- 探索連続行動 EXPLORATION ACTIVITIES
- パーティの順番を設定する SETTING A PARTY ORDER
- 地形と天候の悪条件 ADVERSE TERRAIN AND WEATHER
- 障害 HAZARDS
- イニシアチブをロールする ROLLING INITIATIVE
- リアクション後のイニシアチブ initiative after reactions
- ロールの種類を選ぶ choosing the type of roll
- キャラクターの配置 character placement
- 休息 RESTI NG
- 見張りと不意打ち watches and surprise attacks
- 一日の準備 DAILY PREPARATIONS
- 飢えと渇き STARVATION AND THIRST
探索 Exploration
探索モードは、意図的に遭遇よりも制限が緩くなっている。結果として、探索の間、君は発生した全てについて裁定をすることになる。基本的に、探索は身の回りのことについて学んだことに対して、PC達に報酬を与えるためのものである。これを運用するために、グループの周囲の状況について明確に把握し、それを伝えることが特に重要である。プレイヤー達がどこにいるのかを把握し、冒険している場所で見えるもの、聞こえるもの、そして他の感覚で得られるものを描写すること。
プレイヤー達に、キャラクターに本当の意味での探索をするように促し、その好奇心に応えてあげるのがよいだろう。探索モードでキャラクター達がやろうとしていることは、君に、彼らが何に興味があるのかと、何を重要と考えているかを見せてくれる。プレイをしているうちに、特定のプレイヤー達が興味をそそられる探索の側面が分かってくるだろう。そして、君はそれらをアドヴェンチャーに追加したり、出版されているアドヴェンチャーのそのその点を強調したりすることが出来るのである。
競争:低いから中程度。探索モードはいくばくかの危険があるが、即座の危険はない場合に使う方が良い。PC達は怪物や障害に直面する可能性が高い環境にいるかもしれないが、通常、戦いに入るか、直接的な関わりを持つまで、探索モードのままである。
タイム・スケール:PC達が探索モードにいる際、ゲーム内時間は卓の現実時間よりもずっと早く動いていく。このため、秒や分で評価することは稀である。君はどのようなテンポで物事が起こっているのかを、必要時応じて早めたり遅くしたりすることが出来る。もし、どの程度の時間が流れているのかを正確に知ることが重要なら、君は探索モードの時間経過を10分単位で見積もる。
アクションとリアクション:探索はラウンドに分けられてはいないが、「捜す」や「使用」のような探索連続行動は、PC達がアクションを使って時間の一部を消費することを想定している。もし、使いたいと思う特定のアクションがあるなら、PC達は尋ねるのがよいだろう。君はそのアクションを使うことが出来るのか、あるいは細部を表現するために遭遇モードに移行するのかを判断する。PC達は探索モードの間にトリガーを満たした、関連するリアクションを使うことが出来る。
探索連続行動 EXPLORATION ACTIVITIES
探索モードでは、単に移動するだけでなく何かをしたいと考える各プレイヤーは、自分のキャラクターの探索連続行動を選択する。最も一般的な連続行動は、「隠密移動」、「魔法探知」、「強行軍」、「捜索」ですが、その他にも様々なオプションがあります。プレイヤーは通常、これらのデフォルトの連続行動に沿って行動しますが、探索連続行動を記憶して正確に使う必要はありません。その代わり、各プレイヤーに自分のキャラクターが何をしているかを説明させること。そして、GMとして、君がどの連続行動が適用されるかを判断する。これは、キャラクターの行動がリストにあるものと異なる場合に、連続行動がどのように機能するかを判断するということでもある。
以下のセクションでは、第9章の479~480ページに詳述されているプレイヤーのためのガイドライン以外に、君の判断が必要な探索連続行動について説明する。
魔法探知 detect magic
この連続行動によって、キャラクターが旅の間、あらゆる魔法のオーラや物体を自動的に見つけることが出来るようになるわけではない。裁定の習熟度条件がある障害と、その呪文のレベル以上の幻術は、魔法探知で見つけることが出来ない。
キャラクター達がこの連続行動を使って何か魔法のものを見つけた際、キャラクター達にそれを知らせ、立ち止まって更なる探索をするか、続けるかを選ばせること。
立ち止まることによって、プレイヤーがその場所を探索したり、様々なアイテムの評価や、魔法の出所や効果を解明をしたりと、よりロールプレイ色の強い場面になる。先に進むと、有益な魔法のアイテムを取り逃したり、魔法の罠のトリガーを踏んだりする可能性がある。
専門家にならう Follow the Expert
技術に優れたキャラクターは、「専門家にならう」を選択した習熟度の低い味方を助けることが出来る。これは、〈隠密〉の修正値が低い味方がこっそりと歩くのを助けたり、〈運動〉が低いキャラクターが急な崖を登るのを助けたりするのに適している。通常、「専門家にならう」を行っているキャラクターは、他の連続行動を行ったり、一度に複数の人間を見習うことは出来ない。
調査 Investigate
「捜索」や「魔法探知」と同じように、「調査」の初期の結果は、通常、調査員を、より徹底的な調べ物に導くような手がかりを与えるのに十分であるが、手に入れられる限りの情報全てを与えてくれ得ることは稀である。例えば、キャラクターはダンジョンの壁がアビス語の書き付けで覆われていることに気がつくかもしれないが、その文書を読むには、あるいはその書き物が血で行われているのに気付くには、立ち止まる必要があるだろう。
探索 Search
「捜索」している間に知覚判定に成功すると、キャラクターはその範囲に何か変わったものがあるかどうかに気付くが、そこにある全てのものを網羅的に把握することは出来ない。その気付きはより詳細な調査や遭遇のための導入になる。例えば、ある範囲にDC30の秘密の扉とDC25の罠があり、「捜索」しているキャラクターが知覚判定に28の結果を出したなら、君はプレイヤーに、キャラクターが範囲内の罠に気がついたと伝え、罠の場所と性質について大まかな考えを伝えるだろう。パーティは罠の詳細について知るためにその範囲を調べる必要があり、秘密の扉を見つけるための新しい機会を得るには、誰かが再び「捜索」する必要があるだろう。
書類でいっぱいの本棚など、捜索を行うのにまとまった時間が必要であったり、多くの物体がある範囲では、「捜索」は書類棚の存在を明らかにするが、PC達が書類の詳細な調査をするには、書類を確認しなくてはならないだろう。パーティは捜索を終えるために立ち止まらなくてはならない。
通過した場所にある隠された秘密を探知するための「捜索」をキャラクターが行っている場合、目立つ場所(扉の知覚や通路の曲がり角など)にあるものは非公開の知覚判定を行うが、もっと目立たない場所(長い廊下のランダムな地点など)にあるものは、特にゆっくり、念入りに探していない限り、見つけることは出来ない。
パーティの順番を設定する SETTING A PARTY ORDER
探索モードでは、どのキャラクターが陣形の最初に、あるいは最後に居るのかが重要になることがある。プレイヤー達に、探索中に自分のキャラクターがグループのどこにいるのかを決めさせること。この順番は、様々な方向からやってくる敵や罠に誰が最初に攻撃されるかを決めることがある。状況に応じて、誰が対象となるかの詳細を決定するのは君次第だ。
探索モードから移行する際、グループは通常、同じ陣形のままである。グリッドに移行する場合は、PCの正確な位置を彼らの意見を聞きながら決定すること(通常、戦闘の開始時に発生する)。探索モードから彼らが自分の意思で移行する場合、キャラクター達は好きなように動き回ることができる。例えば、罠を発見して、ローグがそれを解除しようとし始めた場合、他のキャラクターは安全と思われる場所に移動することができるだろう。
地形と天候の悪条件 ADVERSE TERRAIN AND WEATHER
うっそうとしたジャングル、深い雪、砂嵐、猛暑などの困難な状況に直面すると、探索の速度が低下する。これらの要素がキャラクターの進行にどれだけ影響を与えるかを、君が決める。地形や天候の種類による具体的な影響については、512ページから説明している。
下草が生い茂っているような困難な地形は、通常、進行を遅らせる。特定の時間内にどれだけの距離を進むかが重要でなければ、つるを切り開いたり沼地を踏んだりする簡単な描写でカバーすることが出来るだろう。キャラクターたちが時間に追われている場合は、表9-2「移動速度」(479ページ)で進行状況を調整すること。通常、ほとんどすべての土地が移動困難な地形である場合は半分に、非常に移動困難な地形である場合は3分の1にする。
活火山のカルデラのような危険な地形は、プレイヤー・キャラクターに物理的な危害を加える可能性がある。グループは、直接通過するか、時間をかけて迂回するかを選択することができます。キャラクターたちが危険な地形を通り抜け、呪文や技能判定でダメージを軽減しようとしている間に、より詳細なシーンに移行することができる。障害地形に耐えた場合、探索の最後にPCに小~中程度のXP報酬を与え、ダメージを受けないように賢明な予防措置を取った場合には少し多めのXPを与えることを検討する。
危険なクレバス、沼沢地、流砂などの危険は環境的な障害であり、512ページから説明されている。
障害 HAZARDS
探索は、罠やその他の障害によって中断されることがある(520ページの障害を参照)。単純な障害は、PCに一度だけ脅威を与えるもので、探索モードで対処することができる。複雑な危険は、対処するまで遭遇モードに移行する必要がある。罠の解除や危険の克服は通常、遭遇モードで行われる。PCは探索活動(魔法の罠の場合は、「魔法探知」も)を使っていれば、「捜索」中に危険を発見するチャンスが増える。
イニシアチブをロールする ROLLING INITIATIVE
- PC達のグループが洞窟を探索している。コボルドの戦士の集団が警邏している狭い通路に入った。今や2つの集団は同じ範囲におり、イニシアチブをロールさせるタイミングである。
- アミリとコボルドのチャンピオンは友好的なレスリングの試合をすることにした。彼らは土の上で対決することになり、君は〈運動〉を使ってイニシアチブをさせる。
- メリシエルとキーラはコボルドの王と交渉している。上手くいかないので、メリシエルは奇襲攻撃を仕掛けることにした。彼女が計画を口にしたらすぐに、君はイニシアチブをさせる。
- ハースクとエズレンは孤立したコボルドの宝物庫に行くために、細い梁を「バランス」を取ろうとしている。半分まで渡った際、山の裏に隠れていたレッド・ドラゴンが攻撃のために飛び回った! ドラゴンが出現したらすぐに、君はイニシアチブをさせる。
リアクション後のイニシアチブ initiative after reactions
ロールの種類を選ぶ choosing the type of roll
プレイヤーが知覚とは別の技能を使うべきだと主張することを許可してもよいが、それは事前に確定させた物事に基づいている場合に限る。例えば、攻撃の前段階で、メリシエルのプレイヤーが「シャンデリアからぶら下がって、奴らを捕まえる!」と言っていた場合、イニシアチブ・ロールに〈軽業〉を使わせることが出来る。もし彼らがただ「おい、俺はこいつらを攻撃したいんだ。〈軽業〉を使ってもいいか?」と、事前に理由を設定せずに言ってきた場合は、おそらく許可すべきではないだろう。
キャラクターの配置 character placement
休息 RESTI NG
- キャラクターは自分の耐久力修正値(最低1)に自分のレベルを乗じた値のヒット・ポイントを回復する。避難所や快適な場所がない状態で休んだ場合、この回復量を半分に減らすことができる(最低でもHP1)。
- キャラクターは疲労状態を失う
- キャラクターは危篤状態と吸精状態の値を1ずつ減らす
- 殆どの術者はその日の呪文を回復する前に休息する必要がある
探索モードのグループは休息をとることができるが、危険から完全に守られているわけではないので、休息が中断される可能性もある。しかし、8時間の休息は連続したものである必要はなく、中断された後、キャラクターは再び眠りにつくことができる。
防具を着たまま寝ると休息不足になり、疲労して目が覚めることがあります。疲労から回復するはずのキャラクターが、鎧を着たまま寝ると疲労が回復しない。
また、16時間以上眠らずにいると、疲労状態になる。
より早い回復のために長期の休息を取ることは余暇の一部であり、探索中に行うことはできない。このルールについては502ページを参照すること。
見張りと不意打ち watches and surprise attacks
表10-3:見張りと休憩時間
グループの大きさ | 合計時間 | 見張り時間 |
---|---|---|
2 | 16時間 | 8時間 |
3 | 12時間 | 4時間 |
4 | 10時間40分 | 2時間40分 |
5 | 10時間 | 2時間 |
6 | 9時間36分 | 1時間36分 |
一日の準備 DAILY PREPARATIONS
冒険に出る直前、あるいは一晩休んだ後、PCたちは冒険の一日に備えるための時間を過ごす。これは通常、朝の30分から1時間の間に行われるが、完全に8時間の休息をとった後でなければならない。一日の準備には以下のようなものがある。
- 呪文を準備する術者がその日に使用する呪文を選ぶ。
- 1日の準備中にリセットされる集中点やその他の能力がリセットされる。これには、1日に一定回数しか使えない能力も含まれる。
- 各キャラクターは、自分の装備を整える。これには、防具の着用や武器の装着が含まれる。
- キャラクターは,その日の利益を得るために身につけた魔法のアイテムを最大10個まで運用する(531ページ参照)
飢えと渇き STARVATION AND THIRST
通常、キャラクターは快適に生きるのに十分な量を食べたり飲んだりする。食べられないときは、食べられるようになるまで疲労状態になる。水を飲まずに1+クリーチャーの耐久力修正値に等しい日数が経過すると、1時間ごとに1d4点のダメージを受け、喉の渇きを癒すまでこのダメージは回復しない。同じ時間、食事をしないでいると、毎日1点のダメージを受け、飢えを癒すまでそのダメージを回復することが出来ない。
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