冒険の準備

冒険の準備 Preparing an Adventure

アドベンチャーとは、君や他のプレイヤーが語る物語の基礎となる、ストーリー要素、キャラクター、設定を集めた自己完結する集合である。アドヴェンチャーは、君自身の物語のアウトラインと考えてよい。しかし、このアウトラインを完成したストーリーにしていく過程で、さまざまなことが変化していく。
Paizoや他の会社から出版されているアドヴェンチャーを使用することもできるし、ゲームセッションの準備をしながら自分でアドヴェンチャーを構築することもできる。

出版されているアドヴェンチャー PUBLISHED ADVENTURES

既製品のアドヴェンチャーには、ストーリーに必要な背景情報やノンプレイヤーキャラクターに加えて、探索や遭遇に必要な場所や地図、モンスターのグループなどがすべて入っている。既製品のアドヴェンチャーは、ゲームの前に該当箇所を読むだけでいいので、一から作る必要がなく、準備が早く済むだろう。既製品のアドヴェンチャーには、予期すべき遭遇や宝物が書かれているし、グループに合わせて様々なキャラクター・レベルで作られたアドヴェンチャーを見つけることが出来る。既製品のアドヴェンチャーを読んだり、最初のゲームでこういったアドヴェンチャーを回すことで、アドヴェンチャーの構成の仕方を知ることができ、後になって自分で書きやすくなる。

既製品のアドヴェンチャーには情報が書かれているが、それは決定事項ではない。自分のグループに合わせてアドヴェンチャーの詳細を変更することは、単に許容されというだけではなく、好ましいことなのだ! プレイヤー・キャラクターのや好みを参考にして、アドヴェンチャーの内容を変えてみよう。例えば、敵をプレイヤー・キャラクターと関連性のあるものに変更したり、プレイヤー・キャラクターの出身地に設定を変更したり、プレイヤーに好まれないと分かっているシーンを削除するといったことが出来る。

アドヴェンチャーの自作 CREATING ADVENTURES

アドヴェンチャーの自作は、出版されているものを使うよりも遙かに難しいことであるが、自分自身を表現し、よりクリエイティブになり、直接、プレイヤーやキャラクターにゲームを合わせてあげることが出来る。この章の後の項目では、遭遇の作成や運営、宝物の配置、適切な範囲での困難な課題の設定のためのガイドラインを記している。これは全て、君が独自のアドヴェンチャーを構築するのを手助けするためのものである。

アドヴェンチャーのプロットは、様々なところから開始することが出来る。君は特定の敵を作るところから開始し、その悪役のテーマに即したアドヴェンチャーを作り、グループをそこに導いてもよい。また、探索をするのに興味深い場所から始め、それからその設定に即した敵や課題で賑やかしてもよい。

場所 Locations

訪れるのに、謎多くファンタスティックな場所のある、記憶に残りやすい設定は、プレイヤーの好奇心を高める。探索することそれ自体が楽しみであるべきで、ある戦いから次の戦いに移るための作業ではない方がいい。ロケーションを作る際には、頭の中でイメージをふくらませ、描写をする際に盛り込むことが出来る細かいディテールを書き出してみよう。装飾品、自然の目印、野生動物、独特なにおい、そして気温の変化などを記述することで、リアリティが増すのである。

モンスターと略奪品以外に、君のロケーションには、環境に基づいた課題や、環境に基づいたパズル、トラップ、その他の障害があるかもしれない。こういった課題は、君のアドヴェンチャーのロケーションに適しているとよいだろう:たとえば、草木が生い茂った城の廃墟では低木で出来た壁、呪われた沼地では、強酸の沼、変質的な魔法使いの墓所では魔法の罠といった風に。

遭遇 Encounters

充実した遭遇は、君のアドヴェンチャーの屋台骨になる。遭遇は、他のクリーチャーとの戦闘が中心となることが多いが、障害を含めてもいいし、言葉でだけ戦う社会的遭遇を作ることもあるだろう。グループのレベルに適切な遭遇を作るためのルールは、以下の通りである。

アドヴェンチャーの中には、特定の時間や特定の順番で遭遇が起こるような、明瞭で直接的な進行をするものがある。どんな順番で調べることも出来るような、繋がり合った複数の部屋を持つダンジョンのような、直線的な進行をせず、どの順番で遭遇することも、あるいは完全に回避することもあり得るようなアドヴェンチャーもある。

ほとんどのアドヴェンチャーはその間のどこかで、キャラクターが立ち向かう必要がある重要な遭遇もあれば、オプションの遭遇もある。

宝物 Treasure

アドベンチャーでは、キャラクターのレベルに見合った量の宝物を配る必要があります。宝物を割り当てるためのガイドラインは508ページにある。宝物はいろいろな方法で配ることができる。敵が持っているアイテムや、任務を完了したときのパトロンからの報酬、あるいはモンスターが守っている木箱の中に入っているコインやアイテムの山という古典的なやり方もある。宝物は、一箇所に集めるのではなく、冒険の中で分散させるのが最善である。そうすることで、プレイヤーは少しずつ報酬を得ることができ、キャラクターは何時間もかけて飛躍的に成長するのではなく、頻繁に小さな段階を踏むことが出来るのである。

課題を持つキャラクター CHARACTERS WITH DISABILITIES
プレイヤーは、課題のあるキャラクターを作りたいと思っているかもしれないし、プレイの過程でキャラクターが何らかの課題を背負うことになるかもしれない。プレイヤー協力して、その課題を尊重して表現する方法を考えること。「目が見えない」「耳が聞こえない」といった状態は、長期的に課題を抱えるキャラクターには、あまり適していない。以下は、課題を持つPCに使用するキャラクターについての一提案である。盲目または機能に課題ある視覚 Blindness or Impaired Vision
盲目のキャラクターは、視覚によって何かを探知することが出来ず、視覚を必要とする知覚判定にファンブルする。そして、視覚効果に対する完全耐性を持ち、盲目・目が眩んだ状態になることはない。君はキャラクターに《無視界戦闘》の特技をフリーで与えることが出来る。耳が聞こえない、または聞こえにくい Deafness or Being Hard of Hearing
耳が聞こえないキャラクターは、聴覚を使って何かを探知することができず、聴覚を必要とする知覚判定にファンブルする。そして、聴覚効果に完全耐性がある。呪文を発動するための言語要素や魔法のアイテムを起動させるための合言葉要素を供給するには十分な練習が必要で、聴覚要素を含む慣れないアクションを行なう場合は、DC5の平目判定に成功しなければそのアクションは失われる。《手話》の特技をフリーで与えるのが最善である。「読唇術」も与えてもいいかもしれない。グループ内の1人または複数のキャラクターにも《手話》を無料で与えることもよいだろう。

聞こえにくいキャラクターは、聴覚に基づく知覚判定にに-2〜-4のペナルティを受けることがある。一般的なパスファインダーの世界では、聴覚の矯正器具は眼鏡よりも一般的ではない。

四肢の欠損 Missing Limb
魔法のアイテムには、特定の手足や身体の一部を必要とするものがある。例えば、足のないキャラクターのためにブーツをブレイサーに変えるなど、そのアイテムの別の形を認めても問題はないだろう。

手や腕を失ったキャラクターは、両手を必要とするアイテムを使用するために2アクションを費やすか、その他の方法で補う必要があるかもしれない。両手用の武器を使うことはできない。失った四肢を補うために義手や義足を手に入れることはできる。

下肢や脚がない場合、速度に若干のペナルティを受けるものの、通常は補装具を入手して補うことができる。下肢がない場合は、車椅子や頼りになる馬に乗ったり、浮遊や飛行の魔法を使うということもあるだろう。

精神疾患と慢性疾患 Mental Illness and Chronic Illness
精神疾患や慢性疾患などの一部の障害は、プレイヤーのロールプレイに任せるのが最適である。精神疾患は特に難しいテーマであり、これまでにも無神経な描写がなされてきたことがある。プレイヤーの意図や、他のプレイヤーに与える影響に注意すること。

遭遇の構築 BUILDING ENCOUNTERS

最も一般的な種類の遭遇は戦闘遭遇で、PC達がその他のクリーチャーと対峙するというものである。戦闘遭遇は、厳密にルールによって運営されている;以下のガイドラインは、君がグループにとって適切な課題を与える戦闘遭遇を構築する手助けになる。障害の遭遇構築も同じ方法で機能する。社交遭遇はもっと自由な様式で、GMにデザインが委ねられている。
戦闘遭遇を構築するためには、まず、全体としてアドヴェンチャーにどうやって遭遇を合わせるかを決める。それから、その遭遇がどの程度の脅威をもたらすのかを以下の5つのカテゴリーから選ぶこと。
些細な脅威の遭遇は、キャラクターが負ける可能性がないほど簡単なもので、特に無駄遣いをしない限り、重要なリソースを消費する必要すらない。これらの遭遇は、ウォームアップ、口直し、キャラクターの素晴らしさを思い出させてくれるものとして最善の働きをする。些末な遭遇は、楽しく遊ぶことが出来るので、脅威が足りないというだけで無視することはない。
低い脅威の遭遇は、ある程度の難易度であり、一般的にパーティのリソースの一部を使用する。しかし、これが深刻な脅威になるのは、パーティ全体にとっての非常に貧困な戦略の結果であるか、稀である。
中程度の脅威の遭遇は、キャラクターにとって深刻な課題であるが、完全に手に負えなくることはあまりない。キャラクター達は通常、適切な戦術を用い、リソースを賢く管理する必要があり、中程度の脅威との遭遇から休むことなく、次のより困難な挑戦に立ち向かう準備が出来ている。
高い脅威の遭遇は、ほとんどのキャラクターのグループが一貫して倒すことが出来るうちで最も困難な遭遇である。こういった遭遇は、最終ボスとの対決など、物語の重要な場面に最も適している。運が悪いか、戦術がうまくいかないか、前の遭遇でリソースが不足していると、高い脅威の遭遇は簡単にキャラクターにとって不利になる。賢いグループは、逃げ道を持っておくという選択肢を持つだろう。
非常に高い脅威の遭遇は、特にキャラクターのリソースが少ない場合には、キャラクターと互角に戦う可能性が高い。これによって殆どの場合、非常に困難な課題となる。非常に高い脅威の遭遇は、十分に休息を取って全力で戦うことが出来るキャラクターのグループや、キャンペーン全体の最後にあるクライマックスの遭遇、あるいは高度な戦術とチームワークを用いるベテランのプレイヤー・グループにとって適切である。

XPバジェット xp budget

脅威のレベルを選択したなら、いよいよ遭遇を構築していく時だ。脅威に応じてXPバジェットがあり、それぞれのクリーチャーはそのバジェットの一部を消費する。その遭遇で最も重要なモンスターあるいはNPCから始め、それから、残りのXPバジェットの使い方を決める。多くの遭遇は、XPバジェットにぴったりではないが、似たような数字にはなるはずである。XPバジェットは4人のキャラクターのグループに適切になっている。もし、君のグループの人数が前後するなら、以下の異なるパーティ人数を参照すること。

クリーチャーを選ぶ choosing creatures

非常に特殊な状況を除いて、君はPCのレベルよりも4レベル低いものから4レベル高いものまでのクリーチャーを遭遇時に選択する(表10-2:クリーチャーのXPと役割を参照)。それぞれのクリーチャーには、下っ端の従者から、一人でパーティ全員を倒せるような強大なボスまで、遭遇時に果たすべき役割がある。
それぞれのクリーチャーは、パーティのキャラクター達のレベルとの差に基づいて、遭遇のXPバジェットからXPを消費する。例えば、もしPC達が5レベルなら、2レベルのクリーチャーは「パーティ・レベル-3」のクリーチャーで、低~中程度の脅威の遭遇に適した下僕であり、遭遇のXPバジェットから15xpを消費する。パーティ・レベルについては別の場所で詳述している。

異なるパーティ人数 different party Sizes

パーティに4人以降の追加キャラクターがいるごとに、表10-1:遭遇バジェットにあるキャラクター調整の値だけ、XPバジェットを増やす。もし、キャラクターが4人未満なら、同じことを逆に行う:つまり、キャラクターの数gふぁへるごとに、XPバジェットからその量のXPを減らすのである。パーティの人数に応じたXPバジェットを調整することに気をつけること。遭遇のXP報酬は変更しない――常に、4人のキャラクターのグループに記載されているXPを報酬として与えるのである。
より多くの敵や障害を加えることに、キャラクターの増加に伴うXPの増加を使うのが最善である。そして、キャラクターの少なさによるXPの減少は、敵と障害を減らすことに使う。1体の敵を強くしたり、弱くしたりするよりも、その方が良い。もし、プレイヤー・キャラクターの数に敵クリーチャーの数が近ければ、一般的に遭遇は満足できるものになりやすい。

表10-1:遭遇バジェット

脅威XPバジェットキャラクター調整
些末40以下10以下
低い6015
標準8020
厳しい12030
極限16040

表10-2:クリーチャーのXPと役割

クリーチャーのレベルXP役割の提案
パーティLV-410脅威の低い三下
パーティLV-315脅威が低いか標準の三下
パーティLV-220三下か標準的なクリーチャー
パーティLV-130標準的なクリーチャーすべて
パーティLV40標準的なクリーチャーと脅威の低いボス
パーティLV+160脅威が低い~標準的なボス
パーティLV+280標準~脅威が高いボス
パーティLV+3120脅威が高い~極限のボス
パーティLV+4160脅威が極限のソロのボス
レアリティと入手手段の使用 USING RARITY AND ACCESS
レアリティ・システムには2つの目的がある:特定の呪文、クリーチャー、アイテムがゲーム世界でどの程度、一般的であるか、あるいは稀少であるかを示すことと、ゲームの複雑さを制御する簡単な道具をGMに与えることである。アンコモンやレアのオプションは、そのレベルの他のオプションに比べて特に強力というわけではないが、特定の種類の物語を複雑にしたり、その世界であまり一般的ではないのである。例えば、ディテクト・イーヴルのようなアンコモン呪文をプレイヤーが発動出来る場合、ミステリーを回すのは一層、困難になるだろう。キャンペーンの開始時に、プレイヤーと君の好むレアリティに関する希望をプレイヤーに伝えること。そうでないと決めない限り、プレイヤー達は資格を持つコモンのオプションと、キャラクターの選択(主に祖先とクラス)によって与えられたアンコモンのオプションから選ぶことが出来る。デフォルトでは、十分なほど賢明に努力したキャラクターは、最終的にアンコモンの選択肢を見つけることが出来るが、レアなオプションは常に特別な報酬になる。その基準を超えて、君は好きなだけ自由に入手手段を与えてもよい;GMの中には、普遍的に全てのアンコモンとレアのオプションを開放する者もいる。もし、確信がないなら、報酬として、あるいはそうでなくとも、プレイヤーに獲得を許可する前に、アンコモンやレアの要素を見渡してみることである。

報酬 Rewards
君はアンコモンやレアなルール要素をキャラクターに報酬として与えることが出来る。これらは同じ価格の他の宝物と同じ価値と概ねの力を持っているが、遠い国に由来していたり、珍しい能力や驚くべき動力を持っていて、少しだけ特別である。アンコモンやレアの報酬としては、アイテムが最も一般的な候補であるが、NPCはアンコモンやレアの呪文をPCに感謝を持って教えたり、特定の敵への備えとして手助けをすることが出来る。君はまた、アンコモンやレアのアイテムを使った特典を作ることも出来る。例えば、もし、あるPCがオカルト的な使い道を持つレアな植物を得たなら、君はまた、〈伝承:ハーブ〉を使って「収入を得る」間、一時的に多くの金銭を得ることが出来ることにしてもよい。なぜなら、それによってキャラクターは新しい湿布を作ることが出来るのである。

異なる場所 Different Locations
この本のレアリティは、君がゴラリオンの内海地域、つまりほとんどのパスファインダーのゲームの舞台でプレイすることを想定している。これらのレアリティはまた、西洋の地中海風のファンタジーにとっても適切である。しかしながら、君はゴラリオンの別の場所を舞台にしたキャンペーンのレアリティを変更して、人間以外の文化に重きを置いたり、異なる根源を持つファンタジー設定をプレイしたい(中国文化に基づいた武侠もののゲームのように)と思うかもしれない(第8章に詳述されている)。これらの変化は基本アイテムに最も多くの影響を与える。たとえば、もし、ドワーフの城塞でキャンペーンを開始するなら、君は全てのドワーフの特性を持つ武器をコモンにするかもしれない。君は、キャンペーンのテーマに合うようにレアリティを調整してもよいが、そうしたなら、グループに変更を共有すること。

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