セッションを行う Running a Game Session
キャンペーンには何回かのセッションが含まれる。それぞれのセッションには、大抵、数時間かかり、数回の遭遇、いくばくかの探索、そして余暇があるかもしれない。君のセッションは、テレビドラマのエピソード1本と比較することが出来る;いくらかのヒネり、急展開、変化、そして次に何が起こるのか、人々を興奮させたまま終わるのだ。
セッションの計画 PLANNING A SESSION
ゲームにおける最大の課題の1つは、全員が集まってプレイする時間を確保することである。しばしば、この責任はGMに課せられる。なぜなら、君こそがセッションの間にゲームを準備するからだ。多くのゲームでは、週に1回、2週間に1回、あるいは1ヶ月に1回というようにスケジュールが決められている。開催頻度が低ければ低いほど、全員が同じ進行を共有できるように、メモやまとめが必要となる。
全員が到着する時間を決め、ゲームを始める時間も決めておくのがよい。そうすることで、全員がおしゃべりや打ち解けたり、食事をしたりするタイミングを逃さず、ゲームを始めることが出来るのである。終了時間を決めることも非常に重要だ。一般的なゲーム・セッションは約4時間だが、中には2時間のセッションを行ったり、マラソンのようにゲームを行うグループもあるだろう。ほとんどのパスファインダー・キャンペーンでは、2時間未満ではあまり作業が進まないのが普通である。セッションが2時間以上になる場合は、15分程度の休憩を計画するとよい(トイレや飲み物の休憩に加えて、プレイヤーは必要に応じて休憩を取ることが出来る)。
セッションの開始 STARTING A SESSION
全員の準備が整ったら、注意を引き、以下の話題を取り上げること。順番は大まかなもので、グループのスタイルやセッションの必要性に応じて変更することができる。
- 前回のセッションでの出来事を振り返る。
- セッション開始時のキャラクターの位置を確認する。前回の課題の後、彼らは休んでいたのだろうか? ダンジョンの次の部屋を襲撃するために廊下にいるのだろうか? 前回のセッションの後、キャラクターに休息や回復の時間があったかどうかをプレイヤーに伝える。
- セッション開始時にヒーローポイントが1ポイントあることをプレイヤーに伝える。
- 目標を設定する。プレイヤーは次に何をしたいのか考えているはずである。グループが既に持っている目標を再設定し、その目標がまだ有効かどうか、またこのセッションで達成したいことがあるかどうか、プレイヤーに意見を聞いてみる。
- 冒険の始まりだ! どのプレイ・モードで始めるかを決めてから、行動を開始するための言葉をかけよう。特定のキャラクターに関連した質問をしたり、モンスターが襲ってきたときに全員にイニシアチブを取らせたり、プレイヤー・キャラクターを取り巻く環境や感覚を簡単に説明して、プレイヤー・キャラクターが反応できるようにすること。
セッションを回す RUNNING A SESSION
セッション中、君はゲームの進行を担当し、多様なプレイ・モードを管理し、質問に答え、ルールを判断することになる。また、あらかたの時間を気にしながら、グループにとって一番都合の良い時に終了できるようにすること。
君は、ルールと、君と他のプレイヤーが共有する想像上の世界との接点である。プレイヤーは君に質問をしたり、自分の仮定に基づいて行動するだろう。この世界で何が真実なのかを設定するのは君次第ではあるが、一方的にそうするわけではない。舞台の背景、準備したこと、そして他のプレイヤーがテーブルに持ち込む提案や仮定から情報を得るのである。なお、発表するまでは、君の計画が変更される可能性があることを覚えておくべきである。例えば、酒場の店主を親切な善意の人だと思っていたのに、プレイヤーがその意図を読み違えて、面白そうな陰謀論を考え出してしまった場合、酒場の店主を悪の手先に変えるということもまた、有り得るのだ。
また、PCや敵が判定を試みるタイミングや、その結果についても君が判断をする。遭遇戦では、判定のタイミングや解決方法がより厳密に決められているため、遭遇戦以外の場面ではこの機会が多いだろう。遭遇戦では、プレイヤーは自分のキャラクターの手番を決定することができ、あなたは、攻撃が命中するかどうか、あるいは環境の中で何かがキャラクターに判定を試みさせることがあるかどうかを述べるだけで十分である。
スポットライト the Spotlight
ゲームを進行する際には、誰がスポットライトを浴びているかを把握しておくとよい。最も活発なプレイヤーやキャラクターに注目が集まりがちであるが、全てのプレイヤーをチェックする必要がある。しばらく貢献していないプレイヤーがいたら、立ち止まって 「君のキャラクターは今、何をしているの?」と尋ねてあげて欲しい。もしプレイヤーがよく分からないのであれば、そのプレイヤーが興味を持ちそうな細部やNPCをシーンに加えてみよう。
気が逸れる・中断 distractions and interruptions
プレイヤーの注意を維持することによって、ゲームは動き続け、全員が同じゾーンに入っている際に、記憶に残る瞬間が発生するだろう。あまりにも多くの中断があると、この流れが断ち切られる。これは、適度なものであれば問題は無い。注意不足は、あまりに頻繁であれば問題になるだろう。というのも、物事を見逃したり、セッションが不連続になって誤った判断をする原因になるからである。しかし、あらゆるゲームには中断や脱線が付きものだ――それが意図的なものであるにせよ、そうでないにせよ。
君のグループにとって適度な気の緩みとはどのようなものかを見つけることは、重要である。ゲームは社会的な集まりで、ゲームのプレイとは直接に関係の無い会話の場が必ず、存在する。もし、あるプレイヤーが繰り返し、君や他の人達を邪魔したり、ゲームの重要なタイミング全てをジョークで台無しにするようであれば、適切なタイミングにコメントを制限するように話すとよい。しばしば、君がすべきことはただ、手を上げるなどによってそのプレイヤーが適切でないタイミングで話をしていることを示し、君か別の話し手が話し終えるまで黙っているようにさせることである。
電話やその他のモバイル機器もまた、気が散る主な原因の1つである。それらを完全に禁止することは、あまり現実的ではない――多くのプレイヤーはダイス・ロールやキャラクター・シートの管理にアプリケーションを使っていたり、パートナーからのメッセージに応えたり、仕事のプロジェクトのチェック、あるいは頼りにしている誰かと連絡が取れる状態にしておかなければいけないのである。しかしながら、君は装置やメディアの使用について、ソーシャルメディアの更新、ホッケーの試合の点数チェック、モバイルのゲーム、緊急ではないメールの返信など、時間的制約やゲームに関連しないことに使用しないという基本的なルールを設定することが出来る。そのプレイヤーのキャラクターが「舞台裏」にいる際、君はこれらのルールを緩めることが出来る。もし、プレイヤーのキャラクターがシーンに出ていないなら、プレイヤーがモバイル機器を使うのに適したタイミングと言えるだろう。
セッション以外のゲーム OFF-SESSION GAMING
グループ全員でのセッション・プレイだけがPathfinderをプレイする方法だというわけではない。通常のスケジュール以外でゲームを繰り広げる機会を見つけることによって、君のグループはセッションの合間も楽しむことが出来るだろう。
君は、1人のプレイヤーとそのキャラクターのためにミニ・セッションを実施して、グループ全体には関わらないが、そのキャラクターの物語にとって重要な出来事をカバーすることが出来る。君とプレイヤー達は、メールやチャットメッセージを使って、余暇の間にキャラクターが何をするかを決めることが出来る。君はまた、プレイヤーに冒険グループの書ウッ調的なシンボルをデザインさせたり、本拠地のマップを描かせたりすることによって、物語の細部を描写する機会を与えることも出来る。君はまた、セッション外で起こった出来事に対して、次のセッションでヒーロー・ポイントを与えることも出来るのだ。
イベントの中には、セッション外で扱うことが適切でないものもある。そこに居ないプレイヤーのキャラクターに強烈に影響を与えるような出来事は、全員がいない卓で扱うべきではない。また、誰も疎外感や迷子になった感じを受けないように、全てのキャラクターにセッション外で起こった出来事をまとめて提示することも有用である。
ルールの判断 ADJUDICATING THE RULES
GMである君は、あらゆるルールに関する問題を解決する責任がある。ゲームを進行させることは、100%正しいことよりも重要であるのを忘れないこと。卓でルールを調べることはゲーム進行を遅らせるため、多くの場合、正確なルールを求めて本を読みあさるよりも、最善の推測を行う方が良い(休憩やセッション後にルールを調べるのも勉強になるが!)
その場で即興を行うには、下記のガイドラインを使うこと。これは、ゲームのルールの基礎となる原理と同じものである。これらのガイドラインと、DCのガイドラインをすぐ見られるようにするため、プリントアウトしておくのもよい。
- もし、素早い作業の所要時間が分からない場合は1アクション。もしくは、1ラウンドに3回、それを行うべき出ない場合には2アクションとする。
- もし、ある作業がどのアクションを使うか分からないなら、最も似ている基本アクションを探す。もし見つからないなら、未定義のアクションを作り上げ、必要な特性(通常は攻撃、精神集中、操作、移動)を付け加えること。
- 2つの陣営が対峙する場合、片方がもう片方のDCに対してロールを行う。両者がロールすることはない(イニシアチブはこのルールの例外である)。通常、行動を行ったキャラクターの方がロールをする(セーヴィング・スローを除く)
- もし、ある効果が成功度を上げたり下げたりするのなら、+1状況ボーナスか-1状況ペナルティを与える
- もし、重大な課題の難易度がどの程度が確かではないなら、そのパーティ・レベルのDCを使う
- 効果を作り上げる場合、クリーチャーはクリティカルでのみ無力化あるいは殺されるようにすること(セーヴィング・スローならファンブル)
- どの判定を使うべきか分からないなら、最も適切な技能を選ぶ。「知識を思い出す」判定に使うべき技能がないなら、適切な〈伝承〉を使うこと(大抵は未修得である)
- キャラクターの1日の準備を、概ね1日、持続する全ての効果のリセットのタイミングに使う
- キャラクターが、XPのルールを持たないような、何か特筆すべき琴を成し遂げた際、その達成度に応じてXPを与える(10XPから30XP)
- PCが作業にしっぱしたさい、失敗したことで完全に進行が止まってしまうのではなく、良くない結果を得て物語が前に進むような前向きな失敗を模索する
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